光のもとでⅠ
十六歳の誕生日 Side 御園生翠葉 02話
「翠葉っ!」
家族三人揃って病室に入ってくる。お母さんにお父さん、そして蒼兄。
「誕生日おめでとう!」と家族に代わるがわる言われると、心なしか嬉しくなる。
確かに「嬉しい」と感じているずなのに、顔はちゃんと笑ってくれない。
それは、やっぱりここが病院だからなのかな……。
「今日は翠葉の喜ぶプレゼント持って来たぞー!」
お父さんがいつも以上ににこにこと笑っていた。
「でも、先にケーキにしましょ? じゃないと、せっかくのカスタードクリームが溶けちゃうわ」
お母さんが蒼兄の手に持っているものを指差すと、蒼兄がケーキボックスを移動テーブルの上に置いてくれる。それは私の好きな「アンダンテ」のケーキボックス。
「翠葉の好きな苺タルトだよ」
「……もしかして、ホール……?」
置かれた箱はいつも目にする長方形ではなく少し大きな正方形の箱。
家族三人揃って病室に入ってくる。お母さんにお父さん、そして蒼兄。
「誕生日おめでとう!」と家族に代わるがわる言われると、心なしか嬉しくなる。
確かに「嬉しい」と感じているずなのに、顔はちゃんと笑ってくれない。
それは、やっぱりここが病院だからなのかな……。
「今日は翠葉の喜ぶプレゼント持って来たぞー!」
お父さんがいつも以上ににこにこと笑っていた。
「でも、先にケーキにしましょ? じゃないと、せっかくのカスタードクリームが溶けちゃうわ」
お母さんが蒼兄の手に持っているものを指差すと、蒼兄がケーキボックスを移動テーブルの上に置いてくれる。それは私の好きな「アンダンテ」のケーキボックス。
「翠葉の好きな苺タルトだよ」
「……もしかして、ホール……?」
置かれた箱はいつも目にする長方形ではなく少し大きな正方形の箱。