光のもとでⅠ
30
頭が痛い。ズキズキする……。
瞼の向こうは暗い。……じゃなくてっ――。
「唯兄っっっ」
飛び起きると眩暈全開だった。
「大丈夫よ」
湊先生の声が耳もとで聞こえた。
「……先生、頭がズキズキ目がぐるぐる気持ち悪い」
「……頭は壁に打ったからで、視界が回ってるのはあんたが飛び起きたから」
呆れ果てた声が返ってきた。
抱きとめてくれているのが湊先生であること以外、何もわからない。
「先生、唯兄は? 唯兄はどこっ!?」
「……若槻はリビングで蒼樹と一緒にいる。ここは翠葉の自室。さっき若槻に振り払われて壁に頭を打って脳震盪起こしたのよ」
ことの経緯はわかった。
「先生……私、唯兄をものすごく怒らせてしまったみたい。もしくは、ものすごくだめなタイミングでオルゴールを返してしまったのかも……」
「そんなことないわ」
視界が回復した目には湊先生の背中が見えた。
きっちりと抱きかかえられていたのだ。
瞼の向こうは暗い。……じゃなくてっ――。
「唯兄っっっ」
飛び起きると眩暈全開だった。
「大丈夫よ」
湊先生の声が耳もとで聞こえた。
「……先生、頭がズキズキ目がぐるぐる気持ち悪い」
「……頭は壁に打ったからで、視界が回ってるのはあんたが飛び起きたから」
呆れ果てた声が返ってきた。
抱きとめてくれているのが湊先生であること以外、何もわからない。
「先生、唯兄は? 唯兄はどこっ!?」
「……若槻はリビングで蒼樹と一緒にいる。ここは翠葉の自室。さっき若槻に振り払われて壁に頭を打って脳震盪起こしたのよ」
ことの経緯はわかった。
「先生……私、唯兄をものすごく怒らせてしまったみたい。もしくは、ものすごくだめなタイミングでオルゴールを返してしまったのかも……」
「そんなことないわ」
視界が回復した目には湊先生の背中が見えた。
きっちりと抱きかかえられていたのだ。