光のもとでⅠ
恒例行事 Side 笹野健太郎 02話
そんな過去を知っている俺からしてみたら、成長したと言ってやりたいくらいだ。なんだかとってもむかつくけどなっ!
「ねぇ……これ、中を開けても差出人がわからなかったら……」
加藤さんの懸念を司が笑顔で牽制する。
「言葉を間違えてますよ? 差出人ではなく、落とし主、ですよね?」
と。
一番下の欄に同じく記号(〃)を記入したあと、欄外に「期日内に落とし主が見つからない場合、私、藤宮司は移行される所有権を放棄します」と書き込む。
そう……こいつはこういう部分でも手抜かりないんだ。
だいたいにして、絶対誰も遺失物届けなんて出さないっつーのっ!
「ねぇ……これ、中を開けても差出人がわからなかったら……」
加藤さんの懸念を司が笑顔で牽制する。
「言葉を間違えてますよ? 差出人ではなく、落とし主、ですよね?」
と。
一番下の欄に同じく記号(〃)を記入したあと、欄外に「期日内に落とし主が見つからない場合、私、藤宮司は移行される所有権を放棄します」と書き込む。
そう……こいつはこういう部分でも手抜かりないんだ。
だいたいにして、絶対誰も遺失物届けなんて出さないっつーのっ!