光のもとでⅠ
 司は全部の用紙にサインを入れ終わると、
「そういうこと」
 とボールペンを置く
「じゃ、あとはお願いします。ケン、助かった」
 少し笑みを浮かべ、司はその場を立ち去る。
 こんなときばかり笑顔使いやがってっ……。
 取り残された俺ら三人のうち、ふたりは呆然としている。俺はひとり泣いてやろうかと思う。
「な……なぁ、司って中学でもこうだったの?」
「甘いよ……ゆんゆん甘すぎっ! 中等部のときっていうより、初等部二年からの恒例行事っ!」
「あら……そりゃ慣れもするわよね?」
「げっ……マジっ!?」
 加藤さんとゆんゆんが同じタイミングで口にした。
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