光のもとでⅠ
 えぇ、えぇ、大マジですとも。
「今までのバレンタインにまつわる黒歴史バラしたろ……」
 暴露話くらい、今日の俺の働きに見合ったものだと思う。実際は付き合わされてたわけでもなんでもないけど……。最初の五年間は間違いなく俺たちの親切の押し売りだった。
 でも、それは今ちょっと置いておこう。

 初等部五年間はおとなしく落しものとして届けていたものの、中等部では違う手に出た。
 司はバレンタインイベントの廃止を真面目に考えていた時期がある。
 ただ、うちの学園はイベント奨励校と言っても過言ではないほどにイベントを奨励している。まず、どう考えたって「無理」なのだ。
 生徒総会の議題にあげたとしても、女子も男子も賛成するわけがない。
 だが、そんなところでは司は怯まない。ならば――と余計な労力を費やさずに済むように、ロッカーや下駄箱に鍵を付ける提案をした。
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