光のもとでⅠ
車に乗ると、
「何? なんの話してたの?」
「明後日バレンタインでしょう? お菓子を作るのに材料とオーブンを貸してもらうことにしたの。家のオーブンだと一度に焼けても二枚だけど、業務用オーブンだと六枚一気に焼けるらしくて……」
「リィ……いったい何人にあげるつもり?」
「えっと……ざっと数えたら七十三人もいてどうしようかと思っちゃった」
でも、強い味方を見つけたので気負いはない。
「……リィって意外と欲張りだったんだ?」
「……知らなかったの?」
「……知りませんでしたとも」
「ちゃんと唯兄の分もあるからね」
笑って言うと、
「それだけ作って俺の分がなかったら間違いなくぐれますよ?」
「あはは」
「あははじゃないよ。まったく……」
「何? なんの話してたの?」
「明後日バレンタインでしょう? お菓子を作るのに材料とオーブンを貸してもらうことにしたの。家のオーブンだと一度に焼けても二枚だけど、業務用オーブンだと六枚一気に焼けるらしくて……」
「リィ……いったい何人にあげるつもり?」
「えっと……ざっと数えたら七十三人もいてどうしようかと思っちゃった」
でも、強い味方を見つけたので気負いはない。
「……リィって意外と欲張りだったんだ?」
「……知らなかったの?」
「……知りませんでしたとも」
「ちゃんと唯兄の分もあるからね」
笑って言うと、
「それだけ作って俺の分がなかったら間違いなくぐれますよ?」
「あはは」
「あははじゃないよ。まったく……」