光のもとでⅠ
初めてのバレンタイン Side 翠葉 06話
バレンタイン当日の朝、いつもより荷物多めで家を出た。
一階に下りると、秋斗さんの家で一度お会いしたことのある人が立っていた。
「藤守さん、おはようございます」
藤守さんはにこりと笑って頭を下げた。
「あの、これ……バレンタインのお菓子なのですが、十人分あるので皆さんで召し上がってください」
「バレンタイン、ですか?」
「はい、バレンタインです。二月十四日の」
「私たちに、ですか?」
「はい。……やっぱりこういうのは受け取ってはいただけませんか?」
ふと、真白さんを尋ねたときのことを思い出していた。
あのとき、タンブラーに入ったコーヒーは受け取っていたけれど、お茶の席に同席することは遠慮されていた。
一階に下りると、秋斗さんの家で一度お会いしたことのある人が立っていた。
「藤守さん、おはようございます」
藤守さんはにこりと笑って頭を下げた。
「あの、これ……バレンタインのお菓子なのですが、十人分あるので皆さんで召し上がってください」
「バレンタイン、ですか?」
「はい、バレンタインです。二月十四日の」
「私たちに、ですか?」
「はい。……やっぱりこういうのは受け取ってはいただけませんか?」
ふと、真白さんを尋ねたときのことを思い出していた。
あのとき、タンブラーに入ったコーヒーは受け取っていたけれど、お茶の席に同席することは遠慮されていた。