光のもとでⅠ
「いらっしゃい。お茶を用意して待っていたの」
 家の中はチーズケーキの香りがしていた。
「さっき焼きあがったところなの。チーズスフレ、食べていってくれる?」
「嬉しいです!」
 リビングに通され、真白さんはすぐにトレイを持ってやってきた。
「真白さん、ハッピーバレンタイン!」
 私は手提げ袋から包みを取り出しテーブルに置いた。
「……私、に?」
「はい。あと、涼先生にもお渡ししていただけますか?」
「わぁ、嬉しい! 涼さんもきっと喜ぶわ」
 そこにカツカツという音が聞こえてきて、少し眠そうな顔をしたハナちゃんがやってきた。
「あ、起きた?」
 真白さんが訊くところからすると、どこかで寝ていたのだろう。
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