光のもとでⅠ
 真白さんのテンションが急上昇してびっくりした。頬が紅潮して見えるのは気のせいではないと思う。
「あと……あの……」
「どうしたの?」
 真白さんは笑顔で首を傾げる。
「あの……マフラーを編んだんですけど、学校では渡せなくて……」
 それを言うだけで顔が熱くなる。顔どころか身体中が熱くなった。
「手編みのマフラーなんて……司ったら幸せ者ね」
「でも、まだ渡せていないし、使ってもらえるかもわからないし……」
「……翠葉ちゃんはどうしたい?」
「え?」
 正面に座る真白さんは真っ直ぐな目で私を見ていた。
「自分で渡したい? それとも私が預かって渡す?」
「……正直、面と向かって渡す勇気がなくて。でも……人に頼むのもなんだか違う気がするし――」
「……それなら司の部屋に置いてきたらどうかしら?」
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