光のもとでⅠ
「ツカサのお部屋……?」
「えぇ、二階のね」
 真白さんは天井を指し示す。
「いらっしゃい。案内するわ」
「あの、でも、勝手に入るのは……」
 尻込みする私を真白さんはクスクスと笑う。
「誰に見られても困るような部屋じゃないの。すごく性格が表れている部屋よ? マンションの湊のところにある部屋とさして変わらないわ」
 真白さんは私の手を引いて二階へ案内してくれた。
 そこは、ブルーとグレーと黒で統一された部屋だった。
 デスクの上にはパソコンがあり、難しそうな英字の本や参考書が何冊か並んでいる。そして、本棚には実用書や医学書、図鑑ばかりが収まっていた。
 ベッドメイキングもきれいにされており、本当にここで人が暮らしているのだろうか、と思うほど、理路整然と整理整頓されている。
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