ホワイトタイガー
 
電車を下りる間際に、二の腕をガッと掴まれた。

遊びに行きませんかと無邪気に言う、透きとおるほどの美少年にナンパされた話をしようと思う。


無視するとか断るとかいうよりも存在そのものをうまく理解できなかった。

電車に乗っている時から気には、なっていた。

マバラに空いている席に向かい合わせになるように、スッと座った彼は、真夏だというのにホワイトタイガーの毛皮を着ていたからだ。

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