生まれた愛
「覚えてる?私が小学5年生の時に
公園で空が助けてくれたこと」
「あーそんなこともあったなー」
俺は千尋の話を聞いていないが適当に答えた
「うん、その時に私は空とずっと一緒にいようって決めたの」
そんなこと言っても一緒には居られないじゃん
俺は少し嫌な顔をしてから千尋に言った
「昔の話したって今一緒に居られないなら意味なくね?」
「……なにそれ」
千尋も嫌な顔をした
「私は空との思い出だって大事だよ
その思い出があるから今だって前向きに考えて進んでんだよ?」
「よくわかんねーよ、昔の思い出でなんで今の心境が変わるんだよ!?」
俺は思わず怒鳴るような声をあげてしまった
千尋はしばらく固まってから
口を歪ませながら言った
「もう空なんて嫌い!なんもわかってない!」
そう言って千尋はこの場から離れていった