生まれた愛
目をつぶると
私を勢いよく抱きしめ
私を覆い被さるように誰かが庇ってくれていた
そこから数秒
こんなに長く感じた数秒は初めてだった
目を開けると
私に覆い被さっていたのは
空だった
トラックはブレーキをかけてくれていて助かった
「ちょ、ちょっとー危ないよ君たち」
慌てて窓から顔を出すトラックのおじさん
私はこの数秒の間で何があったかわからなくて固まる
「とりあえずどいてもらえる?」
おじさんが優しく言ってくれる
空は私の腕を持って立たせてくれた