生まれた愛
◎空side◎
「千尋遅くね?」
「そりゃキスするから遅くなるだろ」
もうツッコむのもダルくなってきたな
「その前に翔遅すぎじゃね!?」
俺がそこに気がついた時
ガラガラ
静かに開けられたドア
「………」
席に座ったのは
翔よりも早く戻ってきた無言の千尋だった
「どうだった?誰だった?付き合った?フラれた?ふった?ぶたれた?
イエス!ラブレター☆」
「うるせー!」
「ごめんなさい」
バカな結衣は置いといて
「どうしたんだ千尋?
気持ち悪いやつにコクられたのか?」
千尋の表情が明らかに暗い
時々こんなことあるけど
こんなに暗いことあったか?
「あのね……」
千尋がやっと重い口を開いた
「手紙くれたの翔だった…」
「「……え!?」」
思わず声がハモる俺と結衣
そして言葉を見失う