生まれた愛




「あ、千尋ー
聞いてよ、先生達捨て猫をほっとけって言うんだよ?」



「そうじゃなくて
学校の中に入って欲しくないから言ってるんだよ」


「かわいそうだって言ってるじゃん
学校側で飼えないの?」


「無理だ」



空はすごく不満そうにしていた



「じゃあこうしよう
飼ってくれる人を探すってのはどうだ?」


「……え?」



わりといい条件でも悲しい顔をしていた




「生徒の中で飼ってくれる人がいれば猫達は無事だろ?
それでいいよな?」


「……まあ」




すっごく悲しい顔してる



なんで猫でそんなに悲しい顔すんだ?





助かるんだからいいじゃん?




「空坊、いいんじゃん?
外よりはマシだろ?この猫達も」


「……うん」



翔が空の肩をそっと抱いて言ってる





こんなに必死になって猫を助けたかったんだなー







これが空との出会いだった



自分を犠牲にしてまでも何かを守ろうとしていて
一生懸命になってるのが印象的だった





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