生まれた愛
もしあの時あたしが抵抗しなかったら
本当に空はあたしにキスしていたのかな……
フラれたから空はあたしに甘えて来たんだって思ってる
フラれてるのはあたしなのに
涙も止まったし
カラオケ再開と行きますか!
トイレを出た瞬間だった
化粧ポーチに入れてたスマホが鳴り出す
誰から?見てみると
ありゃ
こりゃまずい
「もしもし?」
まずいと思いながらも出た
『もしもし?結衣?
もーなんで学校にいないの?』
「あーごめんごめん
急に家に用があって帰ったら寝ちゃったーひひひひ」
こんなお節介を言って来る子はあの子しかいない
そうです。千尋です。
『空は?私空と話した後怒っちゃったからさ
どっかで見かけてない?』
千尋も空を心配してる
ごめん千尋
「空?見てないよ?」
あたし、嘘つくね
『ほんとにー?どこ行っちゃったんだろ?
結衣、サボりすぎもダメだからね?』
「わかってる、ありがとー
ばいばーい」
無理矢理切った
ごめん千尋
ごめん空
あたしが空に言った言葉そのまま返す
いい子ぶって仲良く友達やってちゃダメなんだ
身を引いて怖がってたのはあたしの方だった
空はずっと1人で戦って誰かを助けて来た
だったらあたしだって
そのくらい出来るもん!
少しでも空に見てもらえるように
絶対諦めないから!