生まれた愛




結衣の言う通り




落ち込んでる暇なんてなかった



今日の俺はただ千尋に言われた事に落ち込んで



結衣に悪い事したことに落ち込んでいた




今日だけで何回落ち込むんだよ





それでも今日だけで結衣は何回も起こしてくれていた



助けてくれていた




「結衣、ありがとな」


「元気になった?」


「おう」


「うんうん、おっけー
あたしは空のその顔が見たかったの」


「なんだそれ笑」




気持ちも軽くなったところで



カラオケが再開された









やっぱり結衣と一緒だと楽しくて


落ち着く





カラオケが終わって



「さて、そろそろ帰るかー
もう夕方だしね」


「そうだな」




俺らは家の最寄り駅に着くと




「そーらー疲れた!
早くおんぶして」


「なんでだよ」



「なんで嫌な顔すんだよケチ
あたしを襲おうとしたくせに」


「あーもー!それ禁句!」




「じゃあおんぶして」



「わかったよ」




結衣が俺の背中に乗る



「んふふっ
やったー」


「満足か?」


「うん、嬉しい」



今日だけで結衣の温もりに包まれるのは何回目だ?




でも嫌な気持ちはしなかった










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