生まれた愛
私も曲げたくはなかった
すぐには変えられないから昨日空に言ったんだし
「そっかー」
結衣はなぜか不満そうな顔を浮かべた
「千尋は空にどんなことされても
好きにならない?心変わりもしない?」
「んーー昔好きだったし
この前も色々と助けてもらったけど
やっぱり妊娠したってわかった時、
翔と一緒に過ごしたいって思ったの
まあその肝心な翔がいないから意味ないんだけどね
今は翔が好き、そこは変わらないと思うよ」
「ふーーん」
まだ不満そうな結衣
そんな表情が私は何か気に食わなかった
「何か問題でもある?」
私は苦笑いで結衣に聞いた
「あたしは羨ましいけどなー
そんな風に大事にされて助けてもらえて
自分のために一生懸命になってくれる人がいるなんて」
「…………」
私は何も言えなかった