生まれた愛
ただのバカだと思っていたけど結衣は1番みんなのことを考えていて
そんなところが俺はすごいと思った
お昼休みになると
「おーーいそらー!ちひろー!
めしだー!いくぞー!」
教室のドアの外から顔を覗かせている結衣がいた
「うん、ちょっと待ってて」
千尋がロッカーに教科書をしまう
俺も続いてロッカーにしまうために
しゃがんだ
その瞬間
「よっ!」
結衣の声が後ろから聞こえたきて
「どわ!!」
背中に重みが乗っかり
首に腕が回される
数週間ぶりに結衣をおんぶした
「ほら!動け馬!」
「馬じゃねえー!暑いから降りろ!」
「じゃあこのままいつもの屋上までお願いしまーす」
「あああーー!降りろー!」
と言っても離れない結衣
千尋はそんな俺らを見てニヤニヤしていた
な、なんなんだよ……
とりあえずおぶったまま屋上に行き
着くと結衣は離れてくれた
「はい、ご苦労様〜」
「うるせー…暑いんだこっちは」
「じゃあご褒美にサイダーあげる」
缶のサイダーを取り出す結衣
「おう、これくらいなくちゃ理不尽すぎて泣くところだったわ」
キンキンに冷えたサイダーをおでこに当てる
あーー生き返るわーー