生まれた愛





「あーあーこうやってご飯たべれるのもあと2週間くらいかー」



千尋が上を向いて足をバタつかせて言う



俺は確かにと思いながらも言葉には出来なかった





「引っ越したら学校どうすんの?」



俺はそんな千尋に聞く



「行くわけないじゃん
中退して子供が大きくなったら働くつもりだし」



千尋は目を見ずに言った






千尋も色々考えてるんだな





千尋のこれからのこととか



あんまし考えてなかったのが本音だ



今どうしたいのかってことばっか考えていたから



子供生まれて大きくなったらどうするってることまで考えてる千尋がすごく大きく見えた





「千尋、広島行っても元気でな」



俺は思うがまま言った



「いや、早いから!笑
しかも広島行っても電話くらいできるでしょ?」



「あ、そっか」



千尋は笑いながら弁当に蓋をする



「お腹いっぱい」



半分も食べていない弁当をしまう千尋




「千尋、食欲ないの?」


結衣が聞くと



「いや?すぐお腹いっぱいになるだけだよ」


「そっか」




結衣もなぜか悲しそうな顔をする




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