生まれた愛
「千尋と離れるのはやっぱ寂しいよ」
結衣が千尋に抱きつく
「なに、急に」
千尋は笑顔になりながらも目がうるうるしてるのが見えた
「千尋に会ったの中1の時だったけど
いつも優しく話しかけてくれるのうれしかったよ」
「そんなの私だって一緒だよ
毎日結衣の声聞いて元気出るもん」
暑い中くっつく2人
女の友情だなこれ
「まあ子供出来ても出来なくても
広島に帰るのは変わらないことだし
絶対に切れない縁だよね」
千尋は結衣の頭を撫でる
俺はある言葉を思い出した
ずっと一緒だよね
千尋が言った言葉だ
俺はあの日から千尋のこと好きになって
ずっと一緒にいれるならいたいと思った
ただ“今は違う”
変わったのは千尋だけじゃない
頭の片隅に置いてある言葉
“空の事本当に好きだからね?”という
結衣の言葉が
その期待が大きく膨らんでいる“自分がいた”
変わったのは俺もそうなのかもしれない