生まれた愛
第10章…好き
◎空side◎
千尋が引っ越してから1ヶ月
俺と結衣は夏休みに入っていた
最近の俺らというと
学校では毎日下校していた
それ以外では他の友達と一緒にいたりしてたけど昼になったら結衣と食っていた
もっと広く浅く人と絡んでればよかったと後悔している
逆に結衣は誰とでも仲良く絡めるので
そんなに苦労はしてないのかと思いきや本人は変に気使うから疲れるらしい
でもうまくやっていけてるんだからいい方だと思う
千尋とはちょくちょく電話とかラインはしている
この1ヶ月でお腹も少し大きくなっていっててびっくりしていた
相変わらず元気そうだし俺らも安心している
そして
夏休みに入ったということはやはり
あのお祭り騒ぎ大好きな結衣がイベントに誘わないわけがない
電話がかかって来る
「はい?」
『くぅぅーー!!ぜん!!ぜつごのぉぉぉー!!』
ブチッ
俺は結衣の電話を切った
うるさすぎて不愉快だったから
家に居てあんなテンションになれるのもおかしなはなしだ
そしてまた電話がかかって来る
「はい?」
『35億』
ブチッ
そしてまた電話がかかって来る
「はい?」
『あのね!大喜利やってんじゃないんだからちょっとは待ってよ!』
今度はちゃんと喋った