生まれた愛




3時間掛けて大阪へ着く



「おぉーー!来たぞー!大阪ー!」




いつものように結衣ははしゃいでる





相変わらずだが



「おいおい、遊びに来たんじゃないからな?」


「わかってるって!
まだ夕方になってないでしょ?
翔を探すついでに食べ歩こうよ
今日はもともとデートだったんだよ?」



「そうだけどなー」



翔の居場所をいち早く見つけたい



その工場の仕事が終わる前に




「早く見つけたくないか?
なんのために大阪来たんだよ」


「わかってるって
でもとりあえず大阪の街を探検するところから」



「どこがわかってんだよ!
思いっきり遊ぼうとしてんだろ!」



俺は思わず結衣に怒鳴るように言うと



「あーもーあたしにだって考えあるんだってば!」


結衣は耳を塞ぎながら言う



「考え?」


「そ、今、3時半でしょ?
多分翔はお昼休憩もとって働いてると思うんだけど
夜に会うことにあるでしょ?
それだと仕事終わったあとすぐ逃げられる可能性もある
だったら明日のお昼休憩狙って逃げられなくさせれば話し合えるでしょ?」




俺は「おぉ…」と納得してしまう




そして結衣は続ける



「んでさ、その次の日は日曜日でしょ?
多分翔、休みだと思うから
それを狙ってあたしはどうしてもやりたいことがあるんだよね」



「なに?」








「翔と千尋を会わせる」








< 225 / 262 >

この作品をシェア

pagetop