生まれた愛




「ふざけんじゃねーぞ!!
俺の娘がまだ若いのに子供出来てるんだぞ!!
無責任なこと言ってんじゃねー!!」



「ちょっと!やめてよ!」



胸ぐらを掴んで怒鳴った千尋のお父さんを全力で千尋が止める



「あんた!いい加減にしなさい!」



千尋のお母さんがお父さんに言うと



胸ぐらを離して座る



翔の顔は覚悟を決めているような気がした




深呼吸をしてから千尋のお父さんは話を続けた




「まだ君は高校生だからわかんないと思うけど
大事なものなら自分がどうなったって構わないってくらいじゃないとダメなんだよ
責任取れないならもう二度と顔を見せるな!」




翔はすぐ立ち上がり



床に手の平と膝をつきそのまま頭を下げる




「本当にすいません!!」




翔は大きな声で謝った




「だから謝るだけで済む問題じゃねーんだよ!
今すぐ出てけ!!」


翔の胸ぐらをまた掴み



千尋のお父さんは翔の顔面を思い切り殴った




「お父さん!やめてってば!」



また千尋は止めに入るが



千尋のお父さんは千尋を突き放し



「千尋はな!俺のたった一人の大事な娘なんだよ!
いつも俺が迷惑かけても我慢してくれるめちゃくちゃ優しい子なんだよ!
お前に俺と千尋の気持ちわかるか!?」



千尋のお父さんは翔に向かってそう言うと



千尋は途端に涙を浮かべる







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