生まれた愛




「本当にすいません」



まだ翔は謝り続ける




「まだ言うのか!」



「お父さんやめてってば!」



千尋がまた止める




「千尋はいいから座ってろ!」


「違うの!お父さんが来る前に翔が言いかけてたことがあるの!」




千尋がそう言うと



千尋のお父さんは体の力を抜き




「言おうとしてたこと?」



「そう、だからその話を聞いてあげて?」




千尋のお父さんは椅子に座り



「なんの話?」



と冷静に言う



翔は椅子には座らず正座で話した




「僕は…千尋たちと離れた後
ずっと千尋のことを考えてました
今お腹の子が何ヶ月かとかも知ってます
どうでもよくて離れたわけじゃないけど
責任取れないまま一緒にいる方が辛いと思ったので離れました」



翔の本音だ


昨日話したことの内容だろうな





「謝っても無駄なことくらいわかってます
ただ、ここまで来たからには僕の本当の気持ちを知ってほしいです」



翔は一瞬千尋に視線を移しまた下を向く




「千尋のことは今でも好きです
小学校の頃からずっと、
別れるための理由を作るために小3の頃から好きだったのは嘘だって言いましたけど
それも嘘です、ずっと好きでした
千尋と付き合ってからの1年間
本当に幸せでした
だから今ここに来たからにはけじめをつけようと
新しい決心をします」





また翔は千尋に視線を移す



今度はずっと千尋を見ていた




「父親の借金返済するまで
何年かかるかわかんないけど
もし、信じてくれるなら…
“また一緒に居たい”」



翔がそう言うと



千尋は溜めていた涙を溢れさせた




「千尋のお父さんとお母さんには本当にご迷惑をおかけしました
絶対信じてもらえないけど
俺の気持ちは、まだ千尋と一緒に居たいっていう気持ちしかないです
離れてからやっぱこうしとけばよかったとか
色々思うことはありましたけど
今のこの気持ちは絶対にブレません」




















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