生まれた愛
千尋はその場で倒れた
「痛い!!痛いぃぃー!!!」
千尋はお腹を抑えて苦しんでいる
俺も結衣もどうすることもできなかった
「千尋!?どうした!?」
千尋のお父さんは思い切り千尋を揺さぶる
「陣痛だよ!救急車呼ぶから誰も触らないで!」
……陣痛?
そうか!もう産まれるんだ!
今このタイミングかよ…
俺も慌てる中、千尋のお母さんがケータイを取り出し
救急車を呼んだ
「千尋!じっとしてろ!」
「じっとしてるってば!」
千尋と千尋のお父さんのコントみたいなやりとり
「めっちゃ汗出てる!」
結衣は千尋の汗をハンカチで拭く
「ありがとー結衣」
「こんな時にお礼なんていいよ
もうすぐで救急車来るからね」
5分後くらいに救急車が来る
救急隊の人が来ると
「歩けますか!?」
と千尋に聞く
「はい、大丈夫です」
といって千尋は救急車に乗った
みんな一緒に乗ろうとするが
「あ、何人かにしてください
せめて2人だけ」
と言われ
「じゃあ、俺と母さんで行くから
君たちは後からタクシーで来て
お金は渡しとくから」
と言って一万円渡される
「いや、いいですよ!」
と俺は断るが
「時間ねーんだよ!いいから受け取ってくれ!」
と強く言われる
俺は一万円を受け取り
救急車が走って行くのを見届けた
「じゃあ俺らも行こう」
翔と結衣は頷く