生まれた愛




「入って大丈夫ですよ」



と言うと



翔と千尋のお父さんはドタドタと急いで中に入る




「似た者同士かよ」



と俺は言う


中に入ると




ぐったりとした千尋の隣に真っ赤な赤ちゃんがいる




赤ちゃんの泣き声が響く



「ちひろー!やったなー!」



千尋のお父さんが泣きながら千尋に言う



おいおいさっきまで泣くなと言ってただろと言う言葉は飲み込む




「ありがとうお父さん」



「元気に泣いてるな」


俺が言うと


「おい!泣くな!お前もういくつだ!?」


「産まれたばっかだわ!」



結衣がわけわからないかと言うから俺はツッコミを入れる




「ふっふっふ、面白いね2人」



千尋は笑ってくれた



ありがとう



「空、ここまで来てくれてありがとね?」


「ううんいいんだ、それに」



俺はいつか千尋に言った言葉を思い出す



「千尋のこと守るって言ったろ?
こんな形だけどこれで千尋も幸せになれるかな?」



「うん!最高だよ」



千尋はまた笑った



うん、いい笑顔だ




「ほら、翔、見てみろ
お前の子供だぞ」



俺は翔をこちらへ呼んだ






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