生まれた愛
「うぅ……うっ…」
また翔は泣く
「本当に……ごめん…
でも、こんな俺の子でも……
やっぱ…可愛いなぁ……」
そんな翔を見て
「翔、ここからが本当のスタートで全然いいから
ゆっくりでいいから、また始めよう」
千尋が翔に言う
「……うん、ありがとう」
「私ね、名前もう考えてたんだ」
千尋は一つの紙を取り出す
そこには
『優愛』と書かれていた
「優しい愛って書いて
“ゆめ”って読むの」
「……めちゃくちゃいい名前じゃん」
「でしょ?」
と言って千尋は親指を立てる
千尋と翔との間に出来た
生まれた愛
こんなにも暖かいものなら
一生離れることはないと思う