生まれた愛
俺は
小学校の頃から千尋が好きで
いつも一緒に居た
けど
千尋は他の男たちにも好かれてて
俺は一歩踏み出せずにいた
だからこそ
翔が千尋に告って付き合った時
俺は情けない男だったんだって気づいた
嫉妬しまくって千尋と距離置いたりして
何がしたかったのか今じゃよくわからん
でも千尋が妊娠したって聞いた時
そして翔が千尋と別れると聞いた時
千尋への想いは強くなるばかりだった
俺がなんとかしてあげたいと思った
千尋も俺を親友という言葉では終わらせたくないって言ってくれたけど
やっぱり翔との思い出の方が強かったらしく
逆にフラれてしまった
本当に悲しかったなあの時は
そこで来てくれたのが結衣だった
結衣は俺を慰めてくれて
優しくしてくれて、楽しませてくれて
一緒にいると気楽でよかった
結衣に好きって言われた時は
こんなに純粋な言葉なんて他にはないと思った
その結衣の純粋さは変わらず
結衣の家に泊まった時に見た卒業アルバムの中に書いてあった言葉
それを見てどんどん結衣への想いは伝わっていき
こんな子を守りたいと思い始めた
そして
千尋が広島に行く時泣きながら見送って
その後夏休みの時に結衣とプールと花火大会に行って
そこで付き合った
そして翔のところに行くために大阪に行って翔を説得させて
千尋に会わせて気持ちを伝えさせた
千尋が陣痛で倒れた時は本気で心配した
そして
病院で優愛ちゃんが生まれた
本当に色んなことがあったな
この色んな思い出は決して忘れることはない
俺と結衣と
千尋と翔の
“生まれた愛”の短いようで長い思い出だ