生まれた愛








教室に入ると



「はぁ…」


翔が深いため息を吐く



「ん?どうした?
お前がため息とかめずらしいな」



「いや、なんでもない
生理痛がひどくてな」


「お前生理痛こねえだろ」



なんだ、いつもの翔じゃん



俺は少し安心して翔の前の席に座る



しばらくすると



「おっふぁーい」


「おはよーかおっぱいかはっきりしろ」



戻ってくるなり間抜けた声の千尋に俺はツッコミを入れる



「言おうとしてないから!変態」



へっ!つまらん女だ!



若干引きずってる笑顔で俺の頭にチョップを当てる千尋



そんな千尋は翔の隣に座る



「どうだったの?ラブレター」



翔が気を使わずに千尋に聞く


「放課後だって言ってんでしょ!
何回聞くんだよ!」


ちょっとキレ気味に怒鳴る千尋



「お、俺、まだ聞いてなかったじゃん…」


確かに悪いことはしてないけど


よくわからんが翔は怒鳴られると思ったよ



しゅんとなる翔


「もういいもん!寝るもん!ドラえもん!」



顔を伏せる翔



「千尋、後で謝った方がいいぞ」


「あはは…そうかもね」



そして授業が始まる頃






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