生まれた愛
「千尋はまだ空が好きなのに
妊娠させちゃって……
俺の立場がどこにもないだろ」
「私は翔が…」
「何も言うな!」
翔は千尋の言葉を遮る
そして
震える声を抑えて
俺の目をまっすぐ見て
翔はとんでもないことを言い出す
「俺はお前らの前には二度と顔を出さない」
この言葉だけを吐き捨てて翔は俺らに背を向けた
「翔!待てどういうことだよ!」
呼び止めても止まる気配はなし
「………」
千尋は依然として俯き、泣いている
もうこの二人は終わったのか……