生まれた愛
「相変わらずモテるよね、千尋って」
手を頭の後ろに持っていき背中にもたれる結衣
「小学校の頃からそうだっからな」
俺が答えると結衣が悔しそうな顔をする
「ちきしょ!あたしも放課後呼ばれたいわ!
男子もそういうの憧れるっしょ?」
「そりゃまあ憧れるけど
千尋の場合いつものこと過ぎてテンション下がってんだよな」
幸せな悩みとはこの事だぜ
「ねえ、翔もこういうの憧れない?」
今日やけに元気がない翔の頭をポンッと叩く結衣
「わりぃ!うんこしてくる」
「はあ?」
翔が立ち上がり教室を出る
「変だなあいつ」
結衣が一言放った
「いつも以上に変だな」
俺も変だとは思ったけど
こんな日もあると思いこの時は気にしてなかった
だけどこれがすべての始まり