生まれた愛






「相変わらずモテるよね、千尋って」


手を頭の後ろに持っていき背中にもたれる結衣



「小学校の頃からそうだっからな」



俺が答えると結衣が悔しそうな顔をする



「ちきしょ!あたしも放課後呼ばれたいわ!
男子もそういうの憧れるっしょ?」



「そりゃまあ憧れるけど
千尋の場合いつものこと過ぎてテンション下がってんだよな」


幸せな悩みとはこの事だぜ




「ねえ、翔もこういうの憧れない?」


今日やけに元気がない翔の頭をポンッと叩く結衣



「わりぃ!うんこしてくる」


「はあ?」



翔が立ち上がり教室を出る




「変だなあいつ」



結衣が一言放った


「いつも以上に変だな」



俺も変だとは思ったけど


こんな日もあると思いこの時は気にしてなかった



だけどこれがすべての始まり








< 8 / 262 >

この作品をシェア

pagetop