生まれた愛
「――――――……」
ゆっくりと離れる千尋
表情を伺うとちょっと唇を噛み締めていた
今思うと…
まだ早すぎた気がした……
「ごめん!」
急いで謝ると千尋は髪の毛を整えながら
「大丈夫、」
「……………」
黙ってしまう俺、
また情けないことになってるぞちくしょー
「私はもう大丈夫だから、心配しないでね」
いざ好きと言ってみると自分で恥ずかしくなる
そんなこと毎日思ってるのに
でも翔と別れたばかりの千尋に何してんだ俺は!
「帰るか!早くその顔直せよ」
「あ!うるさいな、それ言わないでよ」
あの雰囲気はその場で無理矢理誤魔化した
あれでよく好きだよなんて言えたな…
返事はしてなかったけど千尋が色々整理出来たらでいい
今の自分勝手な俺の行動に素直に答えてくれるなら
それまで待ってるよ…