総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
【どうか傷つかないでください。私の大切な人。】
【もちろん】
あたしたちは、2人で笑った。
「はいっ、次々~。」
陽気な声と共に、あたしの前に来たのはアサ。
きつい時、いつもアサに助けられた。
アサはそっとあたしの左耳に唇を寄せ。
「どんなに苦しい真実が、待っていようと。笑顔だけは忘れんな。笑顔だけで乗り切れることもあるから。」
そう言って、あたしの左耳に短いリップ音を残しきれいな笑顔を見せてくれた。
だからあたしも。
「わかった。絶対に忘れないよ。」
最高の笑顔をアサに贈った。