総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
そう言って笑った、カラの顔はあたしに、安心をくれた。
「早くどけ。海坊主。」
「ぐほぉっ。」
カラの横腹を、回し蹴りで蹴ったのは誰でもない。ミズキ。
「ミズキ・・・・。」
あたしの不安そうな目に気づいたのかフッと笑ってからあたしの前に立つ。
大して身長は変わらないあたし達。
けど、どっちかっていうとミズキのほうが少し高い。
「俺が、お前の周りにいる敵を蹴散らしてやる。だから、お前は堂々と胸を張って帰って来い。」
ミズキは少しだけ背伸びをしながら、左手であたしの頭を押さえ左目に口づけをした。
「あたしも、お帰りっていうから・・・ミズキも言ってね・・・?」
「しかたねぇから・・・言ってやる・・・・。」