総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
獣、住処へ
「おかえりっ!ヒサ!!」
ヒサが帰ってきたのは午前2時を少し過ぎたころだった。
あたしは、ヒサが帰って来るなり抱きついた。
最初はすごく驚いてた。
ずっと心配だったし、今のあたしはヒサが横にいないと眠れなくなってしまったのだ。
「ただいま。」
腰に回る腕と頭を包む大きな掌から傷は見当たらない。
どうやら喧嘩にはならなかったらしい。
「プリンセスぅ~俺にもハグしてぇ~」
後ろから、アキが両手を広げて入ってきた。
「アキ!おかえり、でもなんで一緒に帰ってきたの?」
あたしは、二人に見つからないようにって頼んだのに。