総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
俺は、一気に距離を縮めて殴りかかった。
ソイツの少し手前でジャンプして、視線が合うような高さまで飛んだ。
「すげージャンプ力・・・・!」
のんきに、俺を見上げる。
「早く、壊れろよ。」
思いきり、拳を握りソイツの頬に沈めようとした。
だが、あと少しのところで躱され頬をかすっただけだった。
スタンと、地面に降りてそいつの頬をかすめた右手の甲を眺める。
「惜しかったな。あとちょっとで、俺に届いた。」
ソイツは、かすったところが切れたようで頬を血が伝っていた。
それに気づいたソイツは、指で傷口をなぞり舌で舐めとる。