総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
元々赤かった特攻服が、血がついいて黒くなっていた。
自分の血なのか、相手の血なのかすらわかんねぇ。
両膝に手をつき、倒れまいとする。
横にいた最後の1人が、鉄パイプを俺に向けて振りかぶった。
「・・・チッ。」
右足に力を入れ、回し蹴りをする。
力ももう、残ってない。
ただ、その勢いに任せて足を伸ばす。
こんなフラフラの俺の回し蹴りなんかで、軽く飛んでいくなんて。
どんだけなんだよ。
「はぁー・・・はぁー・・・ッガハ!」