総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
もう一人の犠牲者 ~ルイside~
レナちゃんの声が震えて、表情が硬くなったのがわかった。
ヨウの言った"純潔じゃない"
その言葉に動揺を隠せずに、いるレナちゃん。
「ごめんな、姉貴。今まで苦しめて・・・・。」
哀愁を漂わせながら笑うヨウの目元が、少しだけレナちゃんとかぶって見えた。
「ど、どういうこと・・・・!?」
困惑するレナちゃんに、なかなかその先を言い出せずにいるヨウ。
そんなヨウを見て、シンが口を開いた。
「なんだ、やっぱり臆病に変わりはねぇか。さっきの威勢はどうしたよ。なんなら、俺が代わりに言ってやろうか?」
「ちょっと、黙っててくださいよ。KYなんですか?」
低く冷たい声で、シンを足蹴にした。