総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
交差する考え
シンの嗤い声が響く倉庫の中。
あたしは、まるで魔法でもかけられたように動けずにいた。
それどころか、シンの嗤い声さえも耳には入ってなかった。
腹違い?
誰と誰が?
アタシとヨウが?
「俺と姉貴。親父は一緒なんだ。お袋が違ぇ。」
あたしは、目の前が真っ暗になったように感じた。
それと同時に、1つの疑問が消え1つの疑問が浮かんだ。
あたしに向けられなかった愛情。
その意味がわかった。
あの人は、ヨウの母親であってあたしの母親ではなかったからだ。