総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
あぁ、だからあの笑顔はあたしには向けられなかったのか。
いつもどこかで感じていた不安感。
あたしの中にいる母親の笑顔は、あたしではなく実の息子ヨウに向けられていたのか。
けど、だとしたらお兄ちゃんは?
ヤミはどうなるの?
あたしの考えは、ヨウの次の言葉で一気に頭から消し去られた。
「それと、親父とお袋。殺したのは泥棒なんかじゃない。・・・・・・・・姉貴の実の母親なんだ・・・・・・。」
鈍器で頭を殴られた感じだ。
あぁ、これも嘘だったのか。
「姉貴の母親が、2人を殺したんだ。そのまま、自分も最後には死んだけどな。」
どうやら、あたしの"実の母親"がお父さんとヨウの母親を逆上して殺してしまったらしい。