総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
口を開けば、大声で叫んでしまいそうで。
だけど、こみあげるものを抑えられなくて。
「大丈夫だ。俺がついてるから。」
この場にはふさわしくないような、柔らかく優しくヒサが笑った。
まるで、時が止まったようにあたしはその笑顔にすべてを飲み込まれた。
涙は止まり、あたしの目にヒサのその笑顔が焼き付けられていく。
あぁ、あたしの手を掴んでくれたのがヒサ・・・・貴方で良かった。
あたしは、目元をゴシゴシこすって涙をぬぐった。
そして、そのままシンとヤミを見た。
シンは、なんだかおもしろそうにあたしを見ていた。
「総長、アレが来たようです。」