総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
彼女は何かを見つめるわけでもなく、ただ辺りを見渡して空を見た。
俺の事は、全く見てくれてないようで、一度も目を合わせてくれなかった。
もう一度、今度は大きな声で名前を叫べば貴女は俺を見てくれる?
走って抱きしめれば、俺を思い出してくれる?
どうすれば、あなたのその瞳にもう一度俺を映すことが出来る?
どう考えたって、答えは出ないしそれを実行することさえできない。
わかっていても、やっぱり考えてしまう。
「なんだよ、感動の再会じゃねーのかよ。」
シンのがっかりしたような声が、聞こえた。
大きなため息をつきながら、男に合図をして姉貴を近くまで連れてくる。
「コイツはなぁ、今まで俺達が世話してやってたペットだ。でもなぁ、コイツの顔・・・・どっかで見たことねぇかぁ?」