総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
シンの視線の先には俺。
コイツ・・・俺の姉貴だとわかってて"この時"のために隠してたのか!?
「る、ルイ?」
レナちゃんの不安げな声と、俺の手を握る柔らかい感触。
「クッハハハハ!どうしたよ、もう一度言ってみろよ。『姉貴』って。・・・・・・・・・・・・・ま、どんなに叫んだところでコイツに届くことはもうないがな。」
嘲笑うような嗤い声が倉庫にこだまする。
「姉貴・・・・あねき・・・・姉貴っ!!!」
最初は小さい声だったが、だんだんと感情が移入して抑えきれなくなった。
振り向いてくれっ頼むから。
『瑠唯』ってあのヤサシイ声色で呼んでくれ。
あの優しい笑顔で、俺の心を温めてくれ。