総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
俺の願いも虚しく、姉貴の視線は未だ空を捉えていた。
悔しくて奥歯を力いっぱい噛む。
「だからなんだ。」
俺を救ったのは、やっぱりヒサだった。
低い声は、俺の頭を一瞬にして冷まさせた。
「はぁ‥‥はぁっ…。」
上手く呼吸が出来ずにいた。
視界がぼやけ、乱れた呼吸が嗚咽へと変わりつつある。
やべぇ、こんなにも乱されてたのか俺は!?
情けねぇっ!
俺は右手の拳に力を込めた。