総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
悔しさが腹の底からこみあげてくる。
殴り倒したくて仕方なかった。
けど、俺は見てしまった。
姉貴は、俺は見てくれなかったのにシンを見つめていた。
どうして、実の弟であるおれじゃなくて、シンなんだよっ。
「ほら、てめぇはもう用済みだよ。さっさと‥‥‥‥。」
シンが姉貴を俺達の方に向かせ、歩かせる。
その後ろで、口角をあげニタァッと気持ち悪く笑ったのが見えた。
嫌な予感がした。
胸の奥がざわついた。
それは、一瞬のざわつき。