総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
突き刺さるような痛みは、言葉で表現するなら『怖さ』だった。
この後が、怖い。
言い知れない恐怖があたしを襲う。
「ルイ‥ルイ‥‥っ。」
何度、名前を呼んでもルイはあたしを見てくれない。
ただ、小さくおねぇさんを呼ぶだけで。
駆け寄るでもなく、叫ぶでもなく。
ただ、呼ぶだけ。
その瞳はおねぇさんを見ているはずなのに、どこか違うところを見ているようで。
ルイ、ルイ‥‥‥っ。
お願いだから‥‥壊れないでっ!