総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
ヨウの事をレナに伝えたとき、"何か知っている"すぐに気づいた。
でも、無理矢理聞いてレナを泣かせたくはない。
知ってるかどうかを聞いたとき、レナは口で肯定はしなかったものの表情にはすべて出ていた。
あぁ、知ってるんだな‥‥。
その顔に俺は確信を得た。
そして、自分なりに賭けにも出たんだ。
これで、レナが俺に本当のことを言ってくれたら‥‥思っていることを言ってくれたら‥‥俺はこの気持ちを、すべてが終わった後に伝えよう。
だけど‥‥‥‥。
「な、なんでもない。ヒサは?」
賭けにも、アイツにも負けたんだ‥‥っ。
平静を装っていたレナだったけど、明らかに目は不安の色を宿してて。
あの時、抱きしめてこの気持ちを吐き出していたならもっとスッキリしただろうか。