総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
‥‥‥。
一瞬呆けてしまったが、『プッ』っと小さく吹いてしまった。
「‥‥笑ってんじゃねぇよ。」
「わりぃな。いきなり何を言い出すかと思ったが‥‥‥‥‥笑えねぇ冗談は嫌いなんだよ。」
スッと目を伏せながら視線だけは、奴に向ける。
その視線に奴の顔が堅くなった。
「冗談で言ったつもりはなかったんだがな‥‥‥。交渉は、決裂でいいんだな。」
「何度も同じこと言わせるな。俺は、てめぇの手を握る気はねぇ。"握り潰して"いいなら、話しは別だけどな。」
「ハハッ、握った後に潰されちゃ結局俺が裏切られるんじゃねぇか。」
寂しげに笑う奴の顔は、俺の前から去って行った時と同じ顔だった。
「よっこいしょっ。」