総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
ゆっくりと腰を浮かせながら、立ち上がる。
その動作を俺は、何も言わずに見ていた。
まだ、寂しさの残る顔で俺を見た奴は右手に光るものを宿しながら俺に小さく呟いた。
「じゃあ、この借り今返すわ。お前の命をもってして償え。」
頬の傷を指でなぞり、ピッと俺を指さした。
その位置は、俺の心臓の辺り。
「来いよ、返り討ちにしてやるよ。」
「やれるもんならやってみな?お前の"護りたいもの"が何かは知らねぇが、"壊されたくないもの"ぐらいはわかるぜ?ま、あとは自分で考えるこったな!」
壊されたくないもの‥‥‥?
まさかっ!?
「てめぇ、レナに何かしたのかっ!?」